nishikinokunの小説ブログ

得に説明はありません!!

アルスガード ©

                   プロローグ


“らんらんらん…らーらー” 


カインは鼻声で歌いながらべネロの指示を待った。2時間が経過しさすがにカインも待つのに飽きてきた。カインは盗賊船の廊下を一人静かに歩き出した。すると…そこにはまだカインが一度も入ったことのない部屋があった。“あのジジイまた寝てるな…、よっし!”カインは声をあげその部屋に足を踏み入れた。
“おーい、誰もいないのか??”応答がないのでカインはその部屋を歩いてみると、なんとそこにはカインの親父さんが使っていた血に染まった真っ赤な槍“ロンギヌスの槍”が置かれていた。 “親父…あの時なんで…”と囁いてるうちに、奥からべネロの叫び声がした。“野郎ども!着陸するぞ!!”カインは深呼吸をし、親父さんの槍を手に取りべネロの居場所に向かった。



                 第一話”Phantom Alistar"
”よーし、野郎ども。今日の目的はわかってるな?忘れたやつのためにもう一度説明しよう。今日はあのコルネリア城の姫 “アジュア”を助けに来た。彼女は女王から酷い扱いをされている。そこでだ、俺ら“Phantom Alistar”が彼女を攫うふりをして、彼女を助け出すのだ。よーしそれじゃあ役を決めるぞ。カインはダミアンと一緒に姫様の兵士と化けて彼女を攫え。そしてシモンは、外の兵士たちをおねんねさせとけ。俺はもちろん、この盗賊船で待機しお前らの帰りを待つ。準備が整ったら出発するぞ。タイムリミットは5分だ。


 カインはその5分の間に槍を背中に装着出来るフックを作った。彼は槍にエリクサーを取り最後に5mのバンデージをポケットに入れ、べネロに向かった。


 “カインちょっと来てくれ…”とべネロはカインにひっそり囁いた。べネロはカインに不思議な魔法石を手渡した。“聞く前に教えてやろう...この魔法石は俺が20の時にあの魔剣士ガーランドから盗んだものだ。彼は、いまだにこの魔法石を探している、俺のもとにあっても殺され、取り返されるだけだ。今のお前は誰よりも強い。肉体的には普通だが、精神的にはお前が一番強いだろう。ガーランドは心を支配する邪悪な魔剣士、精神的に弱いと歯が立たんだろう…だから今お前に託す。何の役に立つかはわからないが、結構な金額になると思うぞ。”
”カインは魔法石を受け取り、後ろポケットに入れた。


“ありがとよ、じじい…じゃあ…いってきます”

カインは悲しそうに囁いた。 船を降り、シモンが兵士の頭部を木のハンマーで殴った後に、カインとダミアンが下りてきた。二人は、兵士の防具を盗み装備した。


 “あせくえーーー!!”とダミアンが叫んだ。


 “ばか野郎-.-静かにしろ、捕まったらどうする。”カインは真面目な顔で言った。二人は門をカギで開け、侵入に成功したのだ。


 しばらく時間が立つと,女王が夜遅く城の外に出ていった。そのすきを突き、カインとダミアンは階段を上り最上階(姫の部屋)に向かった。
  “ったく…本当に遅いなお前は…”つまらなさそうにカインが呟いた。ダミアンはどちらかと言うとただの筋肉バカだ、だから考えなしに一人でダッシュした結果がこれだ。 数分してやっと姫の部屋にたどり着けた。“いくぞ。”カインが扉をゆっくり開けるとそこには空な部屋が。カインがゆっくり部屋に足を踏み入れると、やさしい風がほわっと吹いた。風が来た方向を眺めると、そこには大きな窓に立ってるフードを被った女性らしき人がいた。カインは慌ててその人物の手を握って窓から降ろした。


 “何やってんだバカ野郎!!死んだらどうすんだよ!!” カインが彼女のフードを外すと、そこには考えられないほどの可愛い19歳の女の子がいた。カインはため息をつき、“アジュアさん、私はあなたを助けに来ました”カインがやさしく微笑んだ。でも彼女の様子がへんだった。 “どうしたのですか?” “に…に…にげて!!!”と姫が叫んだ。 気が付くとカインたちの後ろにあった大きな扉は固く閉じてしまった。